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ジーンズのロールアップは1回で十分。メンズは折り目の位置が勝負

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駅前のベンチで見た、四回巻きの後ろ姿

待ち合わせより二十分早く着いてしまった日のことです。
やることがなくて、ベンチで人を眺めていました。
目の前を通り過ぎた男性のジーンズが、細かく四回ほど折り上げられていて。

歩くたびに、その部分だけが硬そうに揺れないんです。
布が固まっていて、脚と一緒に動かない。
輪っかがふくらはぎの下にはまっているような、そんな見え方だった。

おそらく、丁寧にやっている人だと思います。
鏡の前で何度も直したはず。
それなのに、遠くから見ると足首に重りをつけているみたいに映る。
努力の方向がずれると、こうなるんだなと妙に納得してしまった。

ジーンズの生地は、そもそも折るのに向いていない

デニムって厚いんですよ。
綾織りで、糸も太くて、洗いをかけていない一本ならなおさら硬い。
チノパンやスラックスと同じ感覚で何度も折ると、重なった層が壁になります。

薄い生地なら四回でも馴染む。
デニムは二回でもう限界に近い。
素材ごとに折れる回数が違う、という当たり前を飛ばして真似をすると、事故が起きます。

折った部分が動かないと、脚全体が硬く見える

歩くときって、布はわずかに揺れているんです。
その揺れが、脚の動きを目に伝えている。
折り重ねて厚くなった箇所は、揺れません。

動く部分と動かない部分が同居すると、下半身がぎこちなく映る。
本人の歩き方は変わっていないのに、なぜかぎくしゃくして見える。
ここに気づいている人、私はあまり見たことがない。

一回で終わらせる。それがジーンズの答え

定説では、二回三回と折って幅を調整するのが基本とされています。
私は真逆を推します。
太めに一回。以上。

四センチをひと折り、それだけで裾は片づく

一回の幅は四センチくらい。
指の第一関節から第二関節ぶんを目安にすると分かりやすい。
それを、ぐいっと一度だけ折り返す。

層が二枚しか重ならないので、厚みが出ません。
布はちゃんと揺れるし、脚の輪郭に沿う。
それでいて、裾が靴の上でたるむのは解消される。
やることが少ないぶん、朝の玄関で三秒で終わります。

折り目の上端が、くるぶしの骨より上に来ないように

位置がすべてです。
折り返した布の一番上が、くるぶしの骨より高い位置に来ると、脚が途中で切れて見える。
逆に、骨の少し下で終われば、視線は自然に靴へ流れます。

鏡の前で、横から見てください。
骨の出っ張りと、折り目の上端。
この二つの高さ関係だけ確認すれば、失敗はほぼ消えます。

元の丈が長すぎる人は、巻く前に切るべき

これを言うと嫌がられるんですけど、書いておきます。

ロールアップは、丈の間違いを隠す道具じゃない

裾が十センチ余っているジーンズを巻いて調整している人がいます。
それ、応急処置なんですよ。
余った布はどこにも消えないので、折るほど足首まわりが太くなる。

裾上げは千円前後で頼めます。
一本直すだけで、巻かなくても成立する状態になる。
そのうえで、気分で一回折る。これが本来の順番です。

アタリを残したいならチェーンステッチで

裾の色落ちした線を大事にしたい人もいると思います。
そういう場合は、専用のミシンで元の縫い方に近づけてもらう方法がある。
店によっては、切った裾を再利用してくれるところもあります。

そこまでこだわらないなら、普通の裾上げで十分。
私の弟は、こだわりがないくせに切るのを渋って、三年ぐるぐる巻いていました。折り目のところだけ色が濃く残って、結局買い替えることに…。

やらかした夜と、一回折りで変わった友人

雨上がりの道で、巻いた裾が黒く濡れた

私の失敗も。
雨上がりの夜、彼が細く三回巻いたジーンズで歩いていました。
水たまりを避けきれずに、跳ねた泥が折り返しの内側に入り込んだんです。

布のポケットみたいになっていて、水が抜けない。
家に帰るころには、その部分だけ重く垂れ下がっていました。
巻くと、雨の日は水を溜める箱ができる。
そんな当たり前を、その夜まで知らなかった。
天気の悪い日は、素直に伸ばして履くほうが正解です。

脚が太いと悩んでいた友人が、一回で解決した

成功例を。
学生時代の友人の彼が、ふくらはぎの太さを気にしていました。
細く何回も巻いて、なんとか誤魔化そうとしていたんです。
それが逆効果だと伝えて、太く一回に変えてもらった。

その日の写真を見返すと、下半身の印象がまるで違う。
巻きの回数が減ったぶん、ふくらはぎの一番太い場所に布が集まらなくなった。
本人が驚いて、こんな単純なことか、とつぶやいていたのを覚えています。

ジーンズの太さで、折り方は変わる

一律の正解はここだけ崩れます。シルエット別に。

細身は、折り返しがそのまま輪になる

スキニーやテーパードは、裾の周囲が狭い。
そこに布を折ると、輪の存在が目立ちます。
だから細身のジーンズは、巻かずに裾上げで済ませるほうがきれい。
どうしても巻くなら、二センチくらいの浅い一回で止める。

太いシルエットは、しっかり折らないと崩れる

ワイドやストレートは、裾の周囲が広い。
中途半端に折ると、内側の布がだらんと落ちてきて形が崩れます。
五センチくらい取って、しっかり折り目をつける。
指で押さえて、折り線に沿って一度ぎゅっと潰すと安定します。
太いジーンズは、折ることで裾に重さが出て、シルエットが締まる。

巻いた日に、足元で確認する二つのこと

左右の高さがそろっているか

片方だけ低い人、驚くほど多いんです。
歩いているうちにずれるのもある。
座っている状態で直すと、立ったときに左右が変わります。
必ず立ったまま、鏡の前で高さを合わせる。

一センチのずれでも、正面から見ると気づかれます。
私は気づいてしまうタイプで、言うか迷って結局言えない…あの居心地の悪さ。

靴とのすき間が、指一本ぶん空いているか

裾と靴の間に、少しだけ空間があると軽く見えます。
布が靴の上に乗ったままだと、上げた意味が半減する。
指一本、と覚えておけば十分です。

その空間に、靴下の色が少し見える。
そこで濃紺や黒を選んでおくと、脚から靴まで色が続いて縦に伸びます。
白い靴下だと、そこで線が入る。

折り返す回数を減らすって、手を抜くことみたいに聞こえるでしょ。
実際は、余計なものを削るほうが難しい。
朝、指で一度だけ折って、鏡で高さを見て、それで出かける。
その簡素さが、なぜか一番きれいに見えるんです。

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