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ブルベ冬メンズは中間色を捨てる。白か黒か、その両端だけ

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グレージュのニットを着た日

秋の終わり、彼が新しいニットを買ってきた日のことです。
灰色とベージュのあいだのような、やわらかい色でした。
今っぽいでしょ、と得意げに見せてくれた。

着てもらって、リビングの明かりの下に立った瞬間。
私の中で、何かがすっと引いたんです。

顔と首とニットが、全部同じくらいの明るさになっていました。
輪郭がどこにも引かれていない。
彼は肌が青白くて、髪が真っ黒で、目もはっきりしている人です。
それだけの素材があるのに、ぼんやりした色に全部飲み込まれていた。
もったいない、この人は絶対に黒が似合うのに
言いたかったけれど、うれしそうな顔を見て飲み込みました。

ぼやけた色は、はっきりした顔立ちを打ち消す

ブルベ冬と分類される人には、共通点があります。
白目と黒目の境がくっきりしていて、髪が黒く、肌に青みがある。
顔の中に、すでに強い対比が存在している状態です。

そこへ、くすんだ中間の色を持ってくるとどうなるか。
顔の対比と服の曖昧さがぶつかって、どちらも中途半端になる。
顔が持っている強さが、服に殺されるんですよ。

今っぽい色が、全員に効くわけじゃない

グレージュ、モカ、スモーキーな色。
やわらかい中間色は、ここ数年ずっと売り場の主役です。
だから、みんな手に取る。

ただ、あの系統が本当に映えるのは、輪郭のやわらかい人。
はっきりした顔立ちの人が着ると、顔だけが浮きます。
流行の色と、自分に効く色は別物だと、どこかで割り切る必要がある。

冬タイプは、両端の色だけで組み立てる

ここで大半の人に反対されると思います。
白と黒だけなんて、味気ないでしょ、と。
それでも私は言い切ります。冬タイプは、明るい端と暗い端だけで足りる。

上下の明度差を、五段階以上つける

色を明るい順に十段階で並べるとして、上と下で五段以上離す。
純白のシャツに、黒のパンツ。
チャコールのニットに、明るいグレーのボトム。

この落差が、冬タイプの顔立ちと呼応します。
体の真ん中にはっきりした境界線ができて、上半身と下半身が分かれる。
その線が、脚の始まる位置を上に見せてくれるんです。

落差の少ない配色は、冬タイプにとって一番損な組み方。
上下ともにベージュとか、グレー同士とか。
似合わないのではなく、持っている強みを使っていない状態です。

中間の色は、面積を小さくして逃がす

どうしても着たい中間色があるなら、面積を減らす。
靴下、キャップ、鞄。
顔から離れた場所に置けば、影響はほぼ消えます。

顔の近くに来る一枚だけ、両端の色を守る。
これだけ徹底すれば、あとは自由でいいと思っています。

白の選び方が、冬タイプの分かれ道

黄みが入った白は、全部見送る

白と名のつく布には、実は何種類もあります。
生成り、オフホワイト、アイボリー、純白。
冬タイプに効くのは、最後のひとつだけ。

黄みが入った白を顔の下に置くと、肌がくすんで見えます。
青みの肌と黄みの布は、方向が逆だから。
店で二枚並べると、片方が少しクリーム色に見えるはずです。そちらは避ける。

黄ばんだ白Tは、その時点で退場

純白を選んでも、洗濯を重ねれば黄ばみます。
そうなった一枚は、冬タイプにとってはもう別の色です。
部屋着に降ろすか、思い切って捨てる。

白の純度を保つことが、そのまま手入れになる。
酸素系の漂白剤で、月に一度つけ置きする。
それだけで、白い期間がだいぶ延びます。

グレージュで失敗した私と、白シャツ一枚の同僚

流行の色を勧めて、彼を沈ませた

私の失敗を書きます。
数年前、モカブラウンが流行っていた時期。
これが今年の色だから、と言って彼にニットを勧めました。

着てもらって、外の光の下に出た瞬間。
私、うわ、と思ってしまったんです。
顔の血色が消えて、髪だけが浮いて見えた。

彼は、どう、と聞いてきた。
似合ってるよ、と答えた自分の声が、少し高かったのを覚えています。
そのニットは、翌年のクローゼットにまだありました。
流行を優先した罰、というやつです。

純白のシャツに替えた同僚が、名前を覚えられた

成功例も。
前の職場に、いつもオフホワイトのシャツの人がいました。
やわらかい印象で、悪くはない。ただ、印象が薄かった。

純白に替えてもらった週のことです。
別部署の人が、彼を白いシャツの人と呼んで探していました。
色だけで人が識別された瞬間を、私はそのとき初めて見た。

本人は、白なんてどれも同じでしょ、と言っていました。
違うんですよ。同じに見えるのは、着ていない側から見たときだけ。

髪と金属、細部の詰め方

髪は黒のまま、または青みの暗い色

冬タイプは、髪が黒いほうが顔立ちが立ちます。
明るい茶色にすると、髪と肌の対比が消えて、輪郭がぼやける。

変化がほしいなら、黒に近いところで青みを足す方向。
アッシュ系の暗い色は、この タイプだけが自然にこなせます。
黄みの強い茶色は、肌との相性が悪い。

金属はシルバー。マットな黒でもいい

腕時計のケース、ベルトのバックル、アクセサリー。
全部を銀か、つや消しの黒に寄せる。
金色は、青みの肌の上で浮きます。

腕をひっくり返して、明るい場所で血管を見てください。
青や紫に透けていれば、銀で間違いない。
そこまで確認したら、あとは迷わなくて済みます。

診断を受けていない人が、自分で判別する

黒いTシャツを着た日の反応を、思い出す

黒を着た日に褒められることが多い人。
それが一番はっきりした手がかりです。
黒は本来、多くの人にとって顔に影を作る色でしょ。
それを着て褒められるなら、対比に強いタイプだということ。

反対に、明るいベージュを着た日に体調を心配されるなら、その方向は合っていない。
自分の記憶を、色ごとに並べてみてください。

純白とアイボリーを、顔の下で入れ替える

店でできる確認です。
明るい場所で、二枚の布を交互に顎の下へ。
純白のほうが顔が明るく見えるなら、冬か夏の可能性が高い。

そこからもう一段、黒と濃紺を比べる。
黒で輪郭が引き締まるなら、冬。
数千円払う前に、試着室の鏡でできることです。

中間の色は、たしかに今の売り場では主役です。
その流れに乗らない選択をするのは、少し勇気がいるかもしれません。
純白のシャツと、黒いニット。
その二枚で人と会った日、相手の視線が顔から動かなくなるはずです。

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