ストライプシャツを選ぶとき、縦のストライプは痩せて見える、という話を聞いたことがある男性は多いと思う。
その通説を信じて、太っている自覚がある男性ほど縦ストライプを選びがちだ。でも実際に着てみると、思ったほど痩せて見えない、ということが起きる。それには理由がある。
「縦ストライプは痩せて見える」は、平面の話でしかない
縦のストライプが痩せて見える、という理論は、平らな紙の上に描かれた縦線の話だ。まっすぐな線が視線を上下に誘導して、縦に長く見える、という錯視の原理はある。
でも服は平面じゃない。体という立体に沿って、生地がふわりと重なったり、腕の動きで生地が寄ったりする。まっすぐだったはずのストライプは、体の凹凸に合わせてくねくねと曲がりながら走ることになる。この時点で、平面の錯視効果はほとんど機能しなくなっている。
生地は体に沿って曲がる、まっすぐな線のままではいられない
特にお腹まわりや腕の付け根など、体の丸みが強い部分では、ストライプが大きく歪む。この歪みが目立つ体型の男性ほど、縦ストライプを選んでも痩せて見える効果はほとんど得られない。
むしろ、生地の余りやシワでストライプが乱れて見えると、体型のラインがかえって強調されてしまうこともある。ストライプの向きより先に、シャツが体にきちんと沿っているかどうかのほうが、見た目に与える影響は大きい。
本当に見るべきは、ストライプの太さと「見える面積」
ジャケットの下に着るなら、ストライプは太いほうがいい
ジャケットの下にストライプシャツを着るとき、見えているのは首元と袖口のわずかな部分だけになる。この小さな面積の中では、細いストライプだと単なる無地に近く見えてしまい、パターンとして認識されにくい。
ジャケットの下に着る前提のストライプシャツは、少し太めのストライプを選ぶことで、覗いた瞬間にストライプだとわかる強さが出る。
単体で着るなら、細いストライプのほうが破綻しにくい
シャツ一枚で着るときは、体全体にストライプが広がって見える。ここで太いストライプを選ぶと、パターンの主張が強すぎて、シャツが体を覆う面全体でちらちらとうるさい印象になりやすい。
細いストライプは、広い面積に広がっても情報量が抑えられていて、シャツ全体としてまとまって見える。単体で着るシャツほど、ストライプは細めを選ぶほうが安全だ。
女性が見た、ストライプシャツが似合っていた男性の話
夏の休日、カフェのテラス席で見かけた男性のシャツが、風に揺れるたびに違う表情を見せていた。
ネイビーと白の細いストライプのシャツを、袖をまくって着ていた。風が吹くたびに生地がゆらゆらと揺れて、ストライプの線もそれに合わせて微妙に形を変えていた。その動きが、シャツを単なる模様ではなく、生きているもののように見せていた。
サイズがちょうど体に沿っていたから、ストライプが変に歪むこともなく、動くたびにきれいな線を保っていた。あのシャツが良く見えたのは、ストライプの向きよりも、シャツ自体のフィット感のおかげだったんだと思う。
ストライプの色のコントラストで、印象が変わる
ネイビーと白のようなはっきりしたコントラストのストライプは、きちんとした印象を作りやすく、ビジネスシーンにも使いやすい。同系色でまとめたトーンオントーンのストライプは、コントラストが低い分、遠目には無地に近く見えて、さりげない上品さが出る。
派手な色使いのストライプは主張が強くなるので、単体でシャツを着るときにアクセントとして使うと効果的だ。ジャケットの下に隠すには惜しいくらいの、遊び心のある色使いを選ぶ楽しみ方もある。
ストライプシャツを着るときの、ジャケットとの相性
無地のジャケットにストライプシャツを合わせるのは、一番失敗が少ない組み合わせだ。ジャケットにもパターンがある場合は、ストライプの太さとジャケットの柄の大きさに差をつけることが重要になる。似たような大きさの柄同士がぶつかると、コーデ全体がうるさく見えることがある。
チェックのジャケットに細いストライプシャツを合わせるなら、色数を絞ることでパターン同士の喧嘩を防げる。
ストライプシャツコーデでやりがちな失敗
一番多いのが、体に対して大きすぎるサイズのシャツを選んでしまうこと。生地に余りがあると、その部分でストライプが不規則に歪んで、着崩れて見える原因になる。ストライプシャツこそ、サイズ選びに一番シビアになるべきアイテムだ。
もう一つは、ストライプの太さとシーンが合っていないこと。ビジネスの場に主張の強い太いストライプを持ち込んだり、カジュアルな場に細すぎて地味なストライプを選んだり。太さとシーンの相性を確認してから選ぶと、失敗が減る。
ストライプシャツが似合っている男性の共通点
ストライプの向きより先に、シャツが体にきちんと沿っているかを確認している男性。
サイズが合っていれば、ストライプは変に歪まず、きれいな線を保ったまま体の動きに合わせて表情を変える。縦か横かという議論より、まずフィット感を優先すること。それが、ストライプシャツを本当に着こなすための最初の一歩になる。
