スプリングコートを選ぶとき、鏡の前に立った状態で丈を確認する男性がほとんどだ。
でもスプリングコートが実際に試される場面は、立っているときより、座っているときのほうが多い。カフェ、電車、レストラン。春の心地よい気温だからこそ、コートを脱がずに座って過ごす時間が長くなる。この座ったときの姿を想定せずに丈を選ぶと、思わぬところでコーデが崩れる。
スプリングコートは、脱がずに座る機会が一番多いコート
冬のコートは、暑がりで室内に入ればすぐに脱ぐことが多い。厚手で重く、座っているだけで暑くなるからだ。でも春のコートは薄手で軽いので、室内でもそのまま羽織り続けることが珍しくない。
つまりスプリングコートは、他のどの季節のコートよりも、着たまま座っている時間が長い。この特性を踏まえずに、立ち姿だけで丈を決めるのは、片手落ちになる。
冬のコートは脱ぐ前提、春のコートは着たまま座る前提
この違いを意識しているかどうかで、コート選びの基準が変わってくる。冬のコートは立ち姿の美しさが評価軸になりやすいけれど、春のコートは座り姿までデザインの一部として考える必要がある。
丈の長さが、座った瞬間にどう変わるか
ロング丈は、座ると生地がたまる
膝より下まであるロング丈のスプリングコートは、立っているときは縦のラインが美しく見える。でも椅子に座ると、生地が行き場を失って、ひざの上や足元にふさっとたまってしまう。
生地が薄手であるほど、このたまり方はもったりと重たい印象になりやすい。ロング丈を選ぶなら、椅子に座ったときに生地をどう扱うか、あらかじめイメージしておいたほうがいい。
ひざ上丈が、実は一番座り姿が崩れない
ひざ上からひざ丈あたりの長さのスプリングコートは、座ったときに生地の余りが最小限で済む。すとんと椅子の脇に落ちるくらいの余裕があれば、立っていても座っていても、シルエットが大きく変わらない。
このちょうど良い丈感を知っている男性は、カフェや電車の中でも、コートの印象を崩さずに過ごせる。
女性が見た、座り姿までスマートだった男性の話
初めて入ったレストランで、隣のテーブルにいた男性がコートを脱がずに席についていた。
ひざ丈のベージュのスプリングコートを着たまま椅子に座って、コートの裾を軽く払うようにして、脇にちんまりと収めていた。生地がもったりとたまることもなく、座っている間ずっと、すっきりとした印象のままだった。
食事が終わって立ち上がったときも、コートの形はほとんど崩れていなかった。あのコートの丈と、座るときのちょっとした所作が、印象をずっと保っていたんだと思う。
スプリングコート、丈別の選び方とシーン
ロング丈は、電車での移動が少なく、座る場面が限られている日に向いている。オフィスへの通勤やカフェでの長時間滞在が多い日は、ひざ上からひざ丈のコートのほうが、一日を通してシルエットを保ちやすい。
スプリングコートでやりがちな失敗
一番多いのが、座ることを想定せずに丈だけで選んでしまうこと。立ち姿だけで判断すると、実際の生活シーンでコートが窮屈な相棒になってしまう。試着のときに、店内の椅子に一度座ってみることを勧めたい。
もう一つは、座るときにコートの裾を無造作に扱うこと。座る前に軽く裾を払って整えるだけで、生地のたまり方が変わる。この一手間があるかどうかで、座っている間の印象が全然違う。
スプリングコートが板についている男性の共通点
立ち姿だけでなく、座り姿まで想定してコートを選んでいる男性。
丈の長さと、座るときの所作。この二つを意識しているだけで、スプリングコートは一日を通して自分を裏切らない一着になる。次にコートを試着するときは、一度、椅子に座ってみてほしい。そこに映る姿も、春に長く見られている自分の姿だ。
