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買い足す前に手放す40代のメンズファッション

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40代になって急にお洒落に目覚めた、という男性に会うことがある。

でもよく話を聞くと、目覚めたというより、今の自分と昔の自分がズレていることにようやく気づいた、という話が多い。20代に買ったスキニーデニム、30代に流行っていたロゴパーカー、かつてのトレンドで揃えたシルエット。クローゼットに残ったそれらが、今の自分の顔と体と生活に合っていないことに、40代になってはっきり見えてきた。

だから40代のファッションで最初にやるべきことは、新しい服を買い足すことじゃない。今の自分に合わなくなった服をすっぱりと手放すことだ。この順番を間違えると、クローゼットはいつまでも過去の自分と今の自分が混在したままになる。

目次

まだ着られると今の自分に似合うは、全然違う話

40代男性のクローゼットには、まだ着られる服がたくさんある。生地が傷んでいるわけでも、破れているわけでもない。でも着ると、なんかしっくりこない。その感覚を見て見ぬふりしたまま、毎朝クローゼットを開けている男性が多い。

まだ着られる、はその服の話。今の自分に似合う、は自分の話。この二つはまったく別の基準で、40代に必要なのは後者だけで服を判断すること。どれだけ高かった服でも、かつては似合っていた服でも、今の自分に似合わないなら、それはもうその人の服ではない。

手放すことへの抵抗感はわかる。でも合わない服を着続けることは、今の自分を過去のイメージに閉じ込めることでもある。手放した後のクローゼットが、初めて今の自分のスタートラインになる。

何を手放すか、判断の基準

手放すべき服には、いくつかの共通点がある。

二年以上着ていない服は、理由がある。似合わないか、生活に合わないか、単純に忘れていたか。どれにしても、積極的に選ばれていない服はクローゼットの空気を重くするだけ。シルエットが今の体型と明らかに合っていない服も手放すタイミングだ。かつてはきれいに着られていたシルエットが、体型の変化によって今は合わなくなっていることは珍しくない。

あとは、着るたびにテンションが下がる服。どこかしら気になる点があって、毎回「まあいいか」と妥協しながら着ている服は、持っているだけでクローゼットの中に迷いを作る。

40代の体型変化に正直に向き合うと、コーデが変わる

体型の変化を無視した服装は、変化そのものを強調してしまう。お腹まわりが少し変わったのに昔のスリムなシルエットを着続けると、変化が服に引き立てられる。逆に今の体型に合ったサイズとシルエットを選ぶと、体型の変化が気にならなくなる。

これは諦めの話じゃなくて、今の自分への正直さの話だ。40代の体型は40代の体型で、きちんと向き合えば似合う服は必ずある。ウエストが少しゆとりのあるテーパード、胸まわりに余裕のあるジャケット、腰回りをきれいに包むスラックス。今の体に合ったシルエットを選んだとき、服が体を引き立てる状態が戻ってくる。

サイズ直しという、40代に一番コスパが高い選択

今持っている服の中に、サイズが少しだけ合わなくなったものがある場合、捨てる前にお直しに出すことを考えてほしい。特にジャケットやスラックスは、ウエストや裾の調整で印象が大きく変わる。

3000円から5000円のお直し代で、2万円のジャケットが今の体にきりっと合うようになることがある。新しいものを買うより、今あるものを今の自分に合わせる投資のほうが、40代には費用対効果が高い場面が多い。

女性が40代男性のファッションに感じること

40代の男性に目を引かれるとき、若さを感じているわけじゃない。むしろ逆で、落ち着きと余裕を感じているときだ。

仕事の打ち合わせで会った40代男性が、ネイビーのニットジャケットにグレーのスラックス、磨かれた革靴という組み合わせで来た。派手さは一切なかったけど、コーデに迷いがなかった。自分に何が合うかを知っている人が、それを着ている状態。その確信みたいなものが、40代のファッションの中で一番かっこよく見える。

その男性が何歳かなんて、考えていなかった。ただ、この人は自分のことをちゃんとわかっているな、という印象だけが残った。40代のファッションが目指すべきゴールは、そこだと思っている。

仕事ができそうに見える男性のコーデに共通するもの

服のコンディションが保たれていること、サイズが体に合っていること、色のバランスが取れていること。この三点が揃っている男性は、年齢に関係なく、仕事ができそうな印象を与える。

40代になると、この三点を意識せずに実現している男性と、まだ無頓着なままの男性の差が、見た目の差として明確に出てくる。若い頃はパワーや勢いが多少の無頓着をカバーしてくれる。でも40代になると、自分への気遣いがそのまま外側の印象になる。

40代メンズファッション、今こそ投資すべきアイテム

クローゼットを整理した後に揃えるべきアイテムがある。40代の体と生活と社会的な場面に対応できる、少数精鋭のアイテムたち。

まずジャケット。一着で仕事にもプライベートにも使えるアンコンジャケットかニットジャケットを一枚。ネイビーかグレーで、肩がちゃんと合うものを選ぶ。これだけで40代のコーデが一段上がる。

次に良質なニット。ウールかカシミヤのクルーネックニットを、グレー・ネイビー・キャメルで三枚持っておくと、秋冬のコーデで迷わなくなる。素材の質感が40代の顔と肌に自然に馴染む。20代には少し大人すぎて似合わなかったカシミヤが、40代では本来の力を発揮する。

靴と革小物への投資が40代では特に効く理由

40代になると、靴と革小物の質がコーデ全体の印象を大きく左右するようになる。若い頃は服のデザインやブランドが目立ちやすいけど、40代になると細部への目線が変わる。

手入れの行き届いた革靴一足が、40代のコーデにほろっとした品を足してくれる。ベルトと財布の革が揃っていると、全体のまとまりが出る。アイテムの数を増やすより、持っているものを上質にしていく方向性が、40代のファッションには一番向いている。

40代男性のコーデで押さえるべき基本

色数は三色以内に絞る。これは30代以下でも同じことが言えるけど、40代になると特に効いてくる。若い頃は色を多く使ってもエネルギーで見せられる部分があるけど、40代になると色数が増えるほどコーデが散漫に見えやすくなる。

ネイビー・グレー・白を軸にして、アクセントとして一点だけ季節の色を入れる。秋ならバーガンディやテープブラウン、冬ならダークグリーンやチャコール。このシンプルな構造が、40代のコーデを安定させる。

40代のファッションを楽しむための発想の切り替え

40代からファッションに向き合い直すことは、遅くない。むしろ遅いほど有利な側面がある。

20代30代は服への無駄な試行錯誤を繰り返す。高い服を買って失敗したり、トレンドに乗り遅れたり、体型に合わない服を着続けたり。でも40代から始めると、その試行錯誤をスキップして、自分に何が合うかを早く絞り込める。体型の特徴を知っていて、似合う色の傾向がわかっていて、どんな場面で着るかが見えている。この自己認識が揃っている状態からスタートできることが、40代からのファッションの強みだ。

40代のファッションが板についている男性に共通すること

服に頼っていない、という言い方が一番近い。

服を通じて何かを証明しようとしていない。若さも、地位も、センスも、服で見せようとしていない。ただ今の自分に合った服を、今の生活に合った形で着ている。その自然さが、40代のファッションの最終的な着地点だと思う。

その状態に辿り着いた男性のコーデは、見ていて何も引っかからない。引っかからないのに、なぜか印象に残る。それが40代のファッションの、一番かっこいい形だと思っている。

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