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ピーコート メンズの正解|女性が思わずため息をつく着こなし

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目次

ピーコートという、男性が着ると最も色気が出るアウターの話

ピーコートを着た男性への、正直な感情

11月の夜、友人と歩いていた時のこと。

向こうから歩いてきた男性のネイビーのピーコートが視界に入った瞬間、友人と私が同時に足を少し緩めた。後で二人で確認したら、同じことを考えていた。あのピーコートの着こなし、よかったよね、って。

ダブルブレストのボタンを全部留めて、コートの下からグレーのタートルネックがのぞいていた。ストレートのダークデニム、ブラックのチェルシーブーツ。それだけ。なのになぜかその男性の存在感が、すれ違った後もしばらく頭の中に残っていた。

ピーコートを着た男性が持つ独特の雰囲気、うまく言語化するのが難しいんだけど、海軍の将校みたいな強さと品格が混ざった感じ、とでも言えばいいのか。ウールの重さと、ダブルブレストのボタンの存在感が合わさって、その男性の輪郭をくっきりとさせてくれていた。

ピーコートの歴史が、その色気の源泉を作っている

ピーコートはもともと18世紀からヨーロッパの海軍将校が着用していたウールのダブルブレストコートが起源で、日本語では「ダッフルコートと並ぶ冬の定番」として知られているけど、その出自の格が着る人に乗り移ってくる。

軍のユニフォームとして生まれたアイテムには、機能性と美しさが同時に宿っている。ピーコートのダブルブレストは海風を通さないための設計で、大きめのリーファーカラーは顔を寒さから守るためのもの。その実用性が美しいデザインになっている。

この歴史を知らなくても、ピーコートを着た男性から滲み出る強さと品格は伝わる。形が持つ力、素材が持つ力。それがピーコートというアイテムの本質。

ピーコートの選び方、これだけ知れば外さない

 

素材がピーコートの全てを決める

ピーコートを選ぶ時に最初に確認すべきが素材。ここを妥協するとピーコートの魅力が半減する。

ウール100%かウール混が基本で、ウールの含有率が高いほど素材の重みと艶感が出て、ピーコートらしい風格が生まれる。ポリエステルの割合が高いものは軽くて扱いやすいけど、近づいた時に素材の安っぽさが伝わってしまう。冬のアウターはそばに寄った時の素材感が印象への影響が大きいから、ウールの質感だけは妥協してほしくない。

メルトン素材のピーコートは、ウールを縮絨させた密度の高い生地で、表面がなめらかで光沢がある。この素材感が、ピーコートの持つ品格を最大限に表現してくれる。ユナイテッドアローズやビームスで30,000円から50,000円の価格帯を探すと、メルトン素材のピーコートが見つかる。

カラーはネイビー一択から始める

ピーコートのカラー選びで迷ったら、ネイビーを選んでほしい。

ネイビーのピーコートは元々の海軍の色で、ピーコートという形に最も自然になじむ色。どんなインナーとも合わせやすくて、どんな季節の秋冬コーデにも馴染む。ネイビーのピーコートが持つ清潔感と品格は、ブラックやキャメルでは出せない独特のもの。

ブラックのピーコートはシャープで都会的な印象が出るけど、全体が重くなりやすいから、インナーの色選びに少し気を使う必要がある。キャメルやブラウンのピーコートは暖かみが出るけど、ピーコートの原型とは少し距離が開いた印象になる。初めてピーコートを選ぶならネイビー、これは変わらない結論。

サイズ感がピーコートの印象を決定的に左右する

ピーコートのサイズ選びは難しい。大きすぎるとだぼっとして品格が消えるし、小さすぎるとインナーが着られなくなる。

正しいサイズは、肩の縫い目が肩先に正確に乗っていて、ニットを中に着た状態でもシルエットが崩れないゆとりがあること。ピーコートはインナーにタートルネックやニットを着ることが多いから、必ず厚めのインナーを着た状態で試着することが大事。

丈はウエストから股関節の間あたりで終わるショート丈が、ピーコートのクラシックなシルエットを活かせる。膝まで届くロング丈のものもあるけど、ピーコート本来の無骨でシャープな印象はショート丈から生まれる。

ピーコートのインナー、何を着るかで全部決まる

 

タートルネックとピーコートの組み合わせが最も美しい

ピーコートのインナーとして最もすすめたいのがタートルネック。これは確信を持って言える。

ピーコートの大きなリーファーカラーからタートルネックがのぞく状態、あれが持つ視覚的な美しさは他の組み合わせでは出せない。コートの重厚さとタートルの柔らかさが首元で重なって、防寒として完璧なのに見た目も完成している。

素材はハイゲージのウールかメリノ。ローゲージの太い編み目のタートルはボリュームが出すぎてコートの中でもたつくから、薄手でなめらかな素材のものを選ぶことが条件。ブラックかグレーのタートルにネイビーのピーコート、この組み合わせがコーデとして完成した時の説得力は格別。

ニットの使い方で、ピーコートのカジュアル度が変わる

タートル以外のニットをピーコートのインナーに使う時は、クルーネックかVネックが向いている。

クルーネックのニットはピーコートの衿元にそのまま収まって、すっきりした首元になる。Vネックのニットはデコルテ方向に縦のラインが生まれて、ピーコートを開けた時にコーデに奥行きが出る。

オフホワイトのニットにネイビーのピーコート、グレーのニットにブラックのピーコート。どちらも色のトーンとして正しくて、コーデとして整った印象になる。インナーのニットが素材感の良いものであることが、ピーコートの品格を落とさないための条件。

シャツをインナーにしたピーコートが、きれいめの最高峰

ニットではなくシャツをインナーにするピーコートスタイル、これが決まっている男性は相当格好いい。

ホワイトのオックスフォードシャツかブロードシャツをピーコートの下に着て、ボタンを一つか二つ開けると、コートの衿元からシャツの白がのぞく状態になる。その白の清潔感がピーコートのネイビーと対比になって、コーデ全体に知性と爽やかさが加わる。

シャツインナーのピーコートスタイルはフォーマルに近い温度感があるから、少しきれいめな食事やデートに向いている。タートルやニットより少し気合いが入った状態になるけど、その気合いが自然に見える組み合わせだから、きれいめコーデとして理想的。

ピーコートのボトムスと足元、正解を全部言う

 

デニムとピーコートの組み合わせが最も汎用性が高い

ピーコートに合わせるボトムスとして最も使いやすいのがデニム。

ピーコートはもともと労働者階級や軍人が着ていたアイテムだから、デニムという素材と同じカジュアルの文脈を持っている。その組み合わせの自然さが、コーデとして無理のない整い方を作ってくれる。

インディゴブルーのストレートかテーパードデニムにネイビーのピーコートを合わせると、同系色でまとめた無骨なコーデになる。ブラックデニムにネイビーのピーコートはコントラストが生まれてシャープな印象になる。どちらもピーコートコーデとして完成度が高い。

ロールアップして足首を出すと、ピーコートのショート丈との組み合わせでコーデに縦のラインが通って全体がすっきりして見える。

スラックスとピーコートの組み合わせが、大人のきれいめを作る

ピーコートをよりきれいめに着こなしたい時はスラックスとの組み合わせが向いている。

グレーのウールスラックスにネイビーのピーコート、中にホワイトのシャツかグレーのタートル。この組み合わせが街で完成している時の、フォーマルとカジュアルの中間にある大人のきれいめ感は、他のコーデでは出せない。

ピーコートの軍のユニフォームとしての出自とスラックスの品格が合わさると、着ている人の知性と落ち着きが増幅されて伝わってくる感じがある。30代以上の男性がこの組み合わせでいると、同世代の女性から見て圧倒的に好印象になる。

チェルシーブーツがピーコートの足元として最強

ピーコートの足元として最もすすめたいのがチェルシーブーツ。

ピーコートのシャープな縦のラインと、チェルシーブーツのスリムなシルエットが同じ方向を向いている。ピーコートの無骨さとチェルシーブーツの都会的な上品さが合わさって、どちらかひとつでは出せない男性の色気が生まれる。

ブラックのチェルシーブーツにネイビーのピーコートとブラックデニム。このコーデが冬の夜に完成していた時の存在感は、他のアウターとブーツの組み合わせでは出せないもの。冒頭で話した男性のコーデがまさにこれで、すれ違ってから頭の中に残り続けた理由がこの組み合わせの力だったと今は分かっている。

革靴とピーコートの組み合わせが、最も品格を出す

きれいめなシーンでピーコートを着るなら、革靴を合わせることで品格が最大限に引き出される。

プレーントゥかダービーシューズのシンプルな革靴に、ネイビーのピーコートとグレーのスラックス、ホワイトのシャツ。このコーデが完成している男性を見た時の、整然とした品格の印象は言葉では伝えにくい。

革靴のメンテナンス状態がこのコーデの清潔感に直結する。どれだけいいピーコートを着ていても、革靴がくたびれていると全部が崩れてしまう。きれいめなピーコートコーデを完成させたいなら、革靴の手入れだけは絶対に妥協しないこと。

ピーコートのボタンの留め方と着こなし方

 

全ボタンを留めることで、ピーコートの真の格好よさが出る

ピーコートはボタンを全部留めた状態が最も美しい。

チェスターコートやトレンチコートは前を開けて羽織る着こなしが映えるけど、ピーコートは全ボタンを留めた状態でシルエットが完成するようにデザインされている。ダブルブレストのボタンが全部揃った状態の、あの整然とした縦のラインがピーコートの美しさの核心。

全ボタンを留めることで体のラインが縦に強調されて、スタイルよく見える効果もある。コートの中のインナーが見えなくなるから、インナーの選択肢が広がる。寒い日に全ボタンを留めたピーコートで歩いている男性の後ろ姿は、季節に負けていない強さがあって女性の視線を引き寄せる。

ボタンを開けて羽織る時の条件

全ボタンを留めるのが基本だけど、ボタンを開けて羽織る着こなしも成立する。条件がある。

インナーが完成しているという条件。タートルネックにパンツという組み合わせが単体でコーデとして成立していることが前提で、その上にピーコートをさらっと羽織る。この時のピーコートの役割はコーデのアクセントではなくて、防寒と品格の補完。

ボタンを開けて羽織ったピーコートから、中のタートルネックが見える状態。コートの重さとニットの柔らかさが視覚的に対比になって、コーデに奥行きが生まれる。ただしインナーのコーデが崩れていると、開けたピーコートから崩れた状態がそのまま見えてしまうから注意が必要。

ピーコートのコーデでやってはいけないこと

 

ボリュームのあるインナーでシルエットを崩す

厚手のダウンベストやボリュームのあるパーカーをピーコートの下に着ると、コートの中がパンパンになってシルエットが崩れる。

ピーコートはシャープなシルエットのために設計されているから、中身が膨らむとそのシャープさが完全に消えてしまう。インナーは薄手のニットかシャツ、あるいはその上に薄手のインナーダウンを仕込む程度にとどめること。インナーのボリュームをコントロールすることが、ピーコートのシルエットを守るための最も重要な条件。

ダボっとしたパンツとピーコートの組み合わせ

ピーコートのショート丈と、ワイドシルエットのパンツの組み合わせは、バランスが難しい。

コートが短くて、その下のパンツが広がるシルエットだと、上下のバランスが崩れてコーデが安定しない。ピーコートにはストレートかテーパードのすっきりしたボトムスを合わせることが基本条件。ワイドパンツとピーコートを組み合わせるには、相当な計算が必要。

くたびれたピーコートをそのまま着続けること

ウール素材のピーコートは毛玉が出やすくて、着続けると表面の毛羽立ちが目立ってくる。

毛玉だらけのピーコートは、どんなに合わせ方が正しくても清潔感が崩れてしまう。ウールのコートは毛玉取り器で定期的にケアして、シーズン前後にはクリーニングに出すか自宅でスチームアイロンをかけること。ピーコートへの定期的なケアが、コートの品格を長く保ってくれる。

ピーコートが決まっている男性

 

ピーコートは着る人を選ばず、着こなし方を選ぶ

ピーコートって、顔立ちや体型を選ばないアイテムだと思っている。

シャープなシルエットが体型を問わず縦のラインを作ってくれるし、ネイビーという色がどんな肌色の男性にも馴染む。必要なのは正しいサイズ感と、シルエットを活かすインナーとボトムスの選択。それだけで、ピーコートを着た男性が持つ独特の存在感が生まれる。

その存在感を初めて体感した時の話を最後にする。

冒頭のネイビーのピーコートの男性とすれ違った後、友人が言った。なんか、ああいう男性と歩いてみたいなって。

帽子でも靴でもなく、ピーコートがそう思わせる何かを持っていた。品格と強さが混ざったあの雰囲気は、ピーコートという歴史のあるアイテムが持つ力から来ていて、それを着こなしている男性にそのまま乗り移っていた。

冬のワードローブにピーコートを加えることで、その力を借りられる。それだけの価値が、ピーコートというアイテムにある。

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