ブランドで選んだパンツが似合わない男性が多い理由
良いブランドのパンツを買ったのに、なぜかしっくりこない。その経験をした男性が口をそろえて言うのが、なんかイメージと違った、という言葉。
これはブランドの問題じゃなくて、選び方の問題だと思う。ブランドが作るパンツには、それぞれ設計思想がある。ゆったりとしたシルエットを得意とするブランド、体に沿うきれいめなラインが強みのブランド、素材の質感を前面に出すブランド。この設計思想と自分の体型・好みのスタイルが噛み合ったときに初めて、そのブランドのパンツが活きる。
名前で選ぶんじゃなくて、どういうシルエットを得意としているブランドなのかを先に理解する。その順番を間違えると、高いお金を払っても着こなせないパンツが増えていく。
ブランドのラインによって、同じブランドでも別物になる
一つのブランドの中にも複数のラインがあって、それぞれシルエットが違う。テーパードライン、ワイドライン、スリムライン、クロップドライン。同じブランドでも買うラインを間違えると、そのブランドの良さを全く感じられないまま終わってしまう。
試着なしにネットで買って失敗するケースの大半は、ブランド名だけ見てラインを確認していないことが原因だと思う。ブランドのパンツを買うなら、そのブランドがどのラインを一番得意としているかを調べてから選ぶこと、これだけで失敗率が大きく下がる。
メンズパンツブランドの選び方、3つの軸
何百とあるブランドの中から自分に合うものを探すとき、見るべき軸は三つに絞れる。シルエットの設計、素材の品質、サイズ展開の豊富さ。
シルエットは前述の通り。素材は、同じ価格帯でもブランドによって使っている生地の密度や質感が全然違う。安く見えるパンツと上質に見えるパンツの差は、デザインよりも素材感から来ていることが多い。サイズ展開は、特に日本人の体型に合わせて細かく展開しているブランドかどうかが重要になる。
素材の品質を、触らずに見極める方法
実店舗で試着できる環境があれば、パンツの生地を少し引っ張ってみてほしい。引っ張って戻したときに、すぐ元の形に戻るかどうか。戻りが遅い生地はへたりやすく、着ているうちに膝が出てきたり、腰のあたりが伸びてしまったりする。
ネットで買うときは、素材の混率を確認する。ポリエステルやレーヨンが高い比率で入っているものは安っぽく見えやすい。ウール・コットン・リネンの比率が高いほど、見た目に質感が出やすい。完全にポリエステルでも、高密度に織られていれば質感が出るものもあるので、素材だけで判断できないところもある。ただ、手頃な価格帯ならコットン高配合のものを選ぶのが無難。
自分の体型に合うブランドは、一度見つけたら離さない
日本人男性の体型は、欧米のブランドが想定しているシルエットと必ずしも一致しない。ウエストは合っても股下が長すぎる、太ももにゆとりがあっても裾がだぼつく、というケースはよくある。
自分の体型にぴたっとはまるブランドを一つ見つけたら、そのブランドの他のラインも試してみる価値がある。体型の設計が合っているブランドは、他のアイテムも総じて自分に合う確率が高い。ブランドとの相性を体で覚えてしまえば、次から試着なしでもある程度信頼して選べるようになる。
価格帯別のメンズパンツブランド、実際に使えるもの
ブランドの話をするなら、価格帯別に整理したほうがわかりやすい。どの価格帯にも、それぞれ光るものがある。
手の届きやすい価格帯で、本当に使えるブランド
ユニクロはパンツに関してだけ言えば、このコストで出せるシルエットとしてかなり優秀だと思う。特にスマートアンクルパンツ系のラインは、ほどよいテーパードがかかっていて、そのままでも着られるシルエットになっている。ただ生地に厚みがなく、光の加減によって安っぽく見える場面があるのも事実。一枚目の感覚より、何本か持っておくローテーション用として割り切ると使いやすい。
GUは価格帯を考えると侮れないシルエットのものが混ざっている。シーズンによってあたり外れが大きいのが難点だけど、ワイドシルエットのラインはコスパが高い印象。
少し背伸びしたい価格帯で選ぶなら
UNITED ARROWSやBEAMSといった日本のセレクトショップは、自社ブランドのパンツがこの価格帯の中で安定して質感が高い。試着できる店舗が各地にあるので、体型に合うラインを一度試してみると確認しやすい。生地の密度がひとつ上がって、着たときの落ち感が出るのがわかる。
COSはミニマルなデザインが得意で、シンプルなシルエットの中に素材感で勝負している。ウールブレンドやリネン素材のパンツは、価格以上の質感があって使いやすい。サイズ感がやや大きめに設計されているので、普段より一サイズ下を試してみることを勧める。
本格的に一本投資するなら、見るべきブランド
COMOLIやGraphpaperといった日本のブランドは、パンツの設計思想が明確で、着たときのシルエットに納得感がある。素材にこだわっていて、着るほどに生地が馴染んでくる。一本の値段は高いけど、長く使える前提で買うなら費用対効果は高い。
Theorяは仕事とプライベートの両方で使えるパンツを探しているなら外せないブランド。シルエットが洗練されていて、テーラードライクなパンツでもカジュアルに着崩せるバランスを持っている。
女性目線で語る、パンツブランド選びの本音
男性がどのブランドのパンツを履いているか、女性は正直ほぼ見ていない。見ているのは、パンツが体に合っているかどうか、それだけ。
10万円のパンツでも体に合っていなければ、なんかだぼっとしてるなで終わる。3千円のパンツでも、シルエットがすとんと落ちていれば、それだけで印象が全然変わる。これは誇張じゃなくて、本当にそう見えている。
以前、友人の彼氏がお洒落なブランドのパンツを自慢していたとき、横で友人が小声で「でもちょっとブカブカじゃない?」とつぶやいていた。彼にとっては買い物の成功体験だったけど、隣の女性にはシルエットの失敗として映っていた。あの温度差、男性に伝わっているといいなとずっと思っている。
ブランドを聞かれたときの男性の反応でわかること
パンツがかっこいいですね、どのブランドですか、と聞いたとき、自信を持って答えられる男性と、えっと…と詰まる男性がいる。面白いのは、自信を持って答えられる男性のほうが、必ずしも高いブランドを着ているわけじゃないこと。
自分が何を着ているか、なぜそれを選んだかを言語化できる男性は、服への向き合い方が違う。ブランド名を言えることが自信じゃなくて、選んだ理由を持っていることが自信になっている。そういう男性のコーデは、なぜか全体的に筋が通って見える。
失敗しないパンツブランドの買い方
試着ができる環境で買うことが一番の近道だけど、ネットで買わざるを得ない場合の失敗を減らすポイントがある。
まず、股下の実寸を測っておくこと。ウエストとヒップだけ測っていて股下を測っていない男性が多いけど、パンツのシルエットはウエストより股下の長さで決まる部分が大きい。自分の股下寸法を知っておくだけで、購入後のお直し頻度が下がる。
次に、素材の混率と重量をチェックすること。重量が記載されているブランドなら、生地の厚みの目安になる。春夏用の薄手と秋冬用の厚みのあるものでは、使い方が全然変わってくるよ。
