GUのアウターを買うとき、どこか妥協している男性がいる。
本当はもっといいものが欲しいけど今シーズンはGUで、とりあえずGUでいいか、値段的にGUなら失敗しても惜しくない。このGUだからという下方修正した期待値が、GUアウターのコーデを最初から弱くしている。
GUのアウターが似合っている男性は、GUに妥協していない。GUを選んだことに理由がある。このシルエットがコーデに合う、この色が今シーズンの自分に必要、この価格帯だからこそ試したいデザインがある。その積極的な理由が、GUのアウターをコーデの中で機能させている。
GUだから、ではなくてGUを選ぶ理由がある男性のコーデは、GUに見えない。
GUアウターで失敗している男性の共通点
一番多い失敗は、全身をGUで揃えること。アウターも、インナーも、パンツも、全部GU。これをやると、コーデに素材感のコントラストが生まれなくて、全体が薄っぺらい印象になりやすい。
GUの素材は価格帯に見合った品質になっている。悪いわけではないけど、全部GUで揃えると、その「価格帯の素材感」が全身から均一に出てしまう。高価なアイテムと混ぜることで生まれるはずの素材のコントラストがなくなって、GUの良さより価格帯の印象が先に出る。
もう一つは、GUのアウターを主役にしようとすること。価格が手頃なアウターほど、コーデの中でサポート役に徹したときに光る。主役を張ろうとすると、素材感のシンプルさが目立ってしまう。
全身GUになるとき、何が起きているか
GUでアウターを選んで、インナーもGU、パンツもGU、シューズはGUのレザーライク、という状態になると、コーデ全体が似たような質感の素材で埋め尽くされる。
コーデに豊かさを作るのは、素材の対比だ。ウールのアウターとコットンのシャツとデニム、このように素材が違うものが重なることで、コーデに立体感が生まれる。全部がポリエステルやポリウレタン混の素材で揃うと、立体感が生まれにくい。GUは全身で揃えるより、一点か二点を選んで残りは別の素材のアイテムと合わせるほうが、GUのアイテムが映えやすい。
GUのアウターを最大限に活かす着こなしの考え方
GUのアウターで一番かっこよく見えるコーデは、アウター以外のアイテムの質を上げること。逆説的に聞こえるけど、これがGUアウターを使いこなす最大のコツだ。
インナーに良質なニットやシャツを選ぶ、パンツをウールやコーデュロイにする、靴を革靴かレザースニーカーにする。これらの質が上がることで、GUのアウターが「このコーデの軽くていい選択」として機能する。アウターだけを浮かせず、コーデ全体の中に溶け込ませる。
服に使う予算があるなら、アウターをGUにして、その分をボトムスか靴に回す。この逆転の発想が、GUアウターを使ったコーデを一段引き上げる。
GUアウターを引き立てる小物の選択
GUのアウターに、質感のある小物を合わせると、アウター全体の印象がころっと変わる。
革のベルト、シンプルな金属の時計、レザーのバッグ。これらがGUのアウターと並んだとき、小物の質感がコーデ全体を引き上げる働きをする。GUのアウター自体は変わらないのに、周囲のアイテムの質感によってアウターの印象が変わる。これが、小物への投資がアウターへの投資より効果的な場合がある理由だ。
GUアウターの選び方、本当に見るべきポイント
GUのアウターを選ぶとき、一番先に確認すべきなのはシルエットが自立しているかどうかだ。
袖を通して鏡の前に立ったとき、アウターが体から自然に落ちているか、それとも体に貼りついているかを見る。自立したシルエットが出ているものは、素材がある程度の張りを持っている証拠で、着こなしの幅が広い。貼りつくようなシルエットのものは、コーデの中で素材感の弱さが目立ちやすい。
色はネイビー・グレー・キャメル・ブラックが外れにくい。GUがトレンドを取り入れた特徴的な色を選ぶのはチャレンジとして面白いけど、使い回しを考えるなら定番色を選ぶほうがコーデの柔軟性が上がる。
素材はウール混か、ウールライクな素材を選ぶと見た目の質感が上がりやすい。ポリエステル100%より、ウールかアクリルが混ざっているほうが、光の当たり方に深みが出る。
女性が実際にGUアウターコーデで印象に残った話
冬の夜、居酒屋に来た男性のコートにはっと目が止まった。
ネイビーのチェスターコートで、ぱしっとしたシルエットが出ていた。中からダークグレーのウールニットが覗いていて、パンツはダークネイビーのウールスラックス、革靴がチャコール。コーデとして完成していた。コートがGUだと後から聞いたとき、少し驚いた。
GUだと聞かされる前は、GUとは一切思わなかった。それは、コーデ全体のバランスが取れていたから。アウター以外のアイテムに素材感があって、コート自体も選び方が正しかったから、コートの価格帯が目立たなかった。
これがGUアウターを正しく使った状態だと思う。GUかどうかより、コーデが成立しているかどうかだけが伝わる。
GUアウター別コーデの組み立て方
チェスターコートの場合
GUのチェスターコートは毎シーズン定番で出ていて、シルエットが比較的安定している。このコートはインナーをきれいめに揃えると一気に完成度が上がる。ハイゲージのニット、シャツ、タートルネック。ボトムスはウールかフランネルのスラックスで、靴は革靴かレザーローファー。この組み合わせで、コートの価格帯が印象から消える。
ブルゾン・MA-1の場合
GUのブルゾンやMA-1は、カジュアルコーデのアクセントとして使いやすい。ヘビーウェイトのスウェットやフランネルシャツの上に羽織って、ダークウォッシュのデニムとレザースニーカーを合わせる。全体をカジュアルで揃えながら、素材の重さに差をつけることでコーデに立体感を作る。
テーラードジャケット・ノーカラージャケットの場合
GUのジャケット系アウターは、ジャケパンスタイルやオフィスカジュアルに使いやすいものが出ることがある。選ぶポイントは肩の位置が合っているかどうかで、ここだけは価格帯に関係なく確認が必要だ。肩が合っていれば、GUのジャケットでもコーデが整って見える。
GUアウターのシーズン別活用法
春秋のGUアウターは、薄手のアウターを試したいシーズンと重なる。ここでGUを選ぶのは実用的で、トレンドのシルエットを低リスクで試せる。流行のオーバーサイズブルゾンやノーカラーコートを一着試して、自分に合うかどうかを確かめてから、翌シーズンに上質なものへ投資する判断ができる。
冬のGUアウターは防寒性に限界があることを理解した上で選ぶ。素材の密度が高いウールコートには及ばないので、極寒の日のメインアウターより、インナーダウンと組み合わせる軽量アウターとして使う選択が現実的だ。
GUアウターを長く使うためのケア
GUのアウターは価格帯的に消耗品として扱われやすいけど、丁寧に使えば複数シーズン着られる品質は持っている。ブラッシングで毛玉を防いで、使わない期間は型崩れしないようにハンガーに掛けて収納する。
シワが目立ってきたらスチームをかけると素材が戻りやすい。GUのアウターが急にくたびれて見える原因の多くは、素材のシワとシルエットの崩れにある。ここへのケアがあるだけで、GUアウターの印象が長く保てる。
GUアウターが板についている男性の共通点
GUを着ていることを言わなくても、コーデが成立している男性。
そういう男性は、GUというブランドを言い訳にも誇りにもしていない。今日のコーデにこのアウターが合う、その判断だけで選んでいる。ブランドを超えて、コーデとして機能しているかどうかだけを基準にしている。
GUでもユニクロでも、あるいは高価なブランドでも、着ている人間のコーデへの向き合い方が服を決める。GUのアウターを選んだことに理由がある男性のコーデは、どのブランドを着ていても、自分のコーデとして見える。
