タートルネックを着た男性を見た時、なんか、ゾクッとする。顔がすっと引き立って、首元が締まって、全体から漂う空気が急に大人になる。タートルネックって、顔も、肩も、体のラインも、全部がくっきりして見える。
だからこそ、似合う人と似合わない人の差がはっきり出る。そしてその差は、顔の造形でも体型でもなくて、選び方と着こなし方にある。
タートルネックが似合わないと思ってる男性へ、最初に言いたいこと
タートルネックが似合わないんじゃなくて、選び方が違う
タートルネック苦手、って言う男性に限って、分厚いケーブルニットのタートルを試着して諦めてることが多い。
あれは難易度が高い。首元のボリュームが出すぎて、顔が埋もれやすくなる。苦手意識ができる原因の大半が、最初に選ぶアイテムを間違えてること。
最初に試してほしいのは、薄手のハイゲージニットかコットン素材のタートルネック。首回りがすっきりしていて、体に沿うくらいの細めのシルエット。これを一枚持つだけで、タートルネックへの印象がまるっと変わる。試着した瞬間に、あ、これなら行けるかも、ってなるはずだから。
タートルネックはむしろ顔を選ばない
タートルネックは顔が小さくないと似合わない、という思い込みが広まりすぎてる。
違う。顔の大きさは関係ない。首の長さも、それほど関係ない。関係があるとすれば、タートルネックの首元の高さと素材の厚みだけ。首が短めの人は首元が低めのタートル、首が長めの人は折り返して着るタイプのタートル、それだけ調整すれば誰でも似合う。
むしろタートルネックって、首元に服があることで顔がきれいにフレームされる効果がある。シャツやTシャツより顔が映えやすい。これ、着てみるまで気づかない人が多い。
タートルネックの種類と、それぞれの着こなし
薄手ハイゲージタートルが、一番使いやすい理由
タートルネック初心者に一番おすすめしたいのが、薄手のハイゲージニット素材のタートルネック。
ゲージというのはニットの編み目の細かさのことで、ハイゲージは編み目が細かくて表面がなめらか。ローゲージの太い編み目に比べて、シルエットがすっきりして見える。体に沿いすぎず、かといってもたつかない、ちょうどいいフィット感が出やすい。
ユニクロのエクストラファインメリノタートルネックセーターが毎年定番で、価格に対してクオリティが高い。色はネイビー、グレー、ブラック、オフホワイトあたりから選ぶと、コーデに使い回しやすい。
コットンタートルが、秋冬以外でも使えることを知ってほしい
タートルネックって秋冬のアイテムだと思ってる男性が多いけど、コットン素材のタートルは春と秋口にも使える。
コットンタートルはニットより薄くて、程よい首元の演出ができる。春に薄手のコットンタートルをインナーとして使って、上からシャツを羽織る着こなし、これが地味に好きな組み合わせ。シャツの首元からタートルのネックがのぞいてる状態、ちょっとヨーロッパっぽい雰囲気が出てたまらない。
ケーブルニットのタートルネックは、上級者向けと心得る
存在感があって、一枚でコーデが完成するのがケーブルニットのタートルネック。
ただし首元のボリュームが出やすいから、下半身はスリムに抑えないとコーデ全体が重くなりすぎる。スキニーパンツかテーパードパンツを合わせて、上に重みを持たせつつ下をすっきりさせる。足元はチェルシーブーツかローファーで引き締めると、ケーブルニットの存在感が生きてくる。
アウターを羽織る場合は、ケーブルニットのボリュームに負けないコート、チェスターコートかウールのPコートがいい。ケーブルニット×コートの組み合わせ、首元のもこもこした質感とコートのすっきりしたラインが対比になって、これがまたいい。
タートルネックのコーデ、具体的な組み合わせ
タートルネック×チェスターコートの鉄板
これは定番中の定番だけど、定番には理由がある。
グレーのハイゲージタートルネックにチャコールグレーのチェスターコート、ブラックのスリムパンツ、チェルシーブーツ。この組み合わせをきちんと着こなしてる男性を街で見かけた時、思わず立ち止まってしまった。それくらいの完成度がある組み合わせ。
色のトーンを統一して、ダークグレーからブラックのグラデーションでまとめる。そこにタートルネックの首元がアクセントとして機能してる。シンプルなのに隙がない、そういうコーデ。
タートルネック×ジャケットの意外な正解
タートルネックをジャケットのインナーにする着こなし、できてる男性が少ないんだけど、これが実はかなりかっこいい。
シャツとネクタイの代わりにタートルネックを合わせることで、フォーマルとカジュアルの中間に着地できる。ビジネスカジュアルの場面や、少しきれいめにしたい休日に使える。
ネイビーのジャケットにグレーかブラックのタートルネック、スラックスかテーパードパンツを合わせると、大人のきれいめカジュアルが完成する。タートルネックを使うことで、シャツを使うより少しだけ個性が出て、それが女性には刺さる。
タートルネック×デニムの最強日常コーデ
休日のコーデで一番使えるのが、タートルネック×デニムの組み合わせ。
ブラックのタートルネックにインディゴブルーのストレートデニム、白スニーカー。この3点だけで、なんか映画のワンシーンみたいなコーデになる。色の対比がくっきりしてて、タートルネックの首元がアクセントになってて、足元の白スニーカーで締まる。
このコーデ、実際に着てる男性を何人か見たことがあるけど、みんなそれぞれかっこよく仕上げてて、タートルネックの懐の深さみたいなものを感じた。アイテム数が少ない分だけ、一個一個の質とフィット感が出る。
タートルネック×セットアップで、一段上の大人感
セットアップのインナーにタートルネックを持ってくる着こなし、これが今一番好きなスタイリングかもしれない。
グレーやネイビーのスーツセットアップに、ブラックかチャコールグレーのタートルネック。ネクタイもシャツも要らない。タートルネックが首元を完成させてくれるから、それだけでコーデが成立する。
この着こなしをしてる男性、なんかとにかく洗練されて見える。余計なものがなくて、全部が計算されてる感じ。でも気張ってない。その余裕が、タートルネック×セットアップの真骨頂だと思う。
色別タートルネック、それぞれの使い方と印象
ブラックのタートルネック、最強だけど扱いが難しい
タートルネックといえばブラック、というイメージを持ってる人が多い。
確かにブラックのタートルネックは、知的でシャープで、着た瞬間から空気が変わる。スティーブ・ジョブズがブラックのタートルネックを毎日着てたのは、それが最も自分を表現できるスタイルだったからという話があるけど、それくらい完成されたアイテム。
ただし全身ブラックでまとめると重くなりすぎるから、パンツをグレーかネイビーにするか、アウターをライトトーンにするかで抜けをつくることが大事。ブラックのタートルネックを主役にしながら、全体が暗くなりすぎないバランスを探す。それができると、ブラックタートルの本当のかっこよさが出てくる。
グレーのタートルネック、一番使い回しがきく色
コーデに悩みたくない時に一番頼れるのが、グレーのタートルネック。
ネイビー、ブラック、ブラウン、カーキ、どんなパンツの色とも相性がいい。アウターを選ばないから、チェスターコートでもダウンジャケットでもデニムジャケットでも受け止めてくれる。グレーって、主張しないことで周りを引き立てる色だから。
ライトグレーはコーデ全体を明るくしてくれるし、チャコールグレーは引き締め効果がある。同じグレーでもトーンによって印象が変わるから、持つなら明るめと暗めを一枚ずつ揃えておくと応用が利く。
オフホワイトのタートルネック、40代男性に特によく似合う
純白じゃなくて、少し黄みがかったオフホワイト。このトーンのタートルネックが、40代男性の肌色になじみやすい。
純白は肌の色によっては顔が浮いて見えることがあるけど、オフホワイトはほとんどの肌色に馴染む。しかもなんか、あったかみがある。ブラックやグレーのタートルとは違う、柔らかい印象を出してくれる。
キャメルやブラウンのアウターとオフホワイトのタートルネックの組み合わせ、秋冬に見かけると思わず目が止まる。あの色の組み合わせ、なんか本の表紙みたいにきれいで。
ネイビーのタートルネックが、清潔感と大人っぽさを両立する
ネイビーのタートルネックは、ブラックほどシャープじゃなくて、グレーほど無難じゃない。その中間にいる色。
知的で落ち着いた印象がありながら、どこかに温かみがある。グレーのパンツと合わせると、全体が上品にまとまる。ベージュやキャメルのアウターとの相性も抜群で、秋冬のコーデに深みを加えてくれる。
ネイビーのタートルに対してネイビーのジャケットを合わせる、同系色のトーンオントーン。これ、一見難しそうに見えて実は簡単で、素材感の違いを楽しむだけでコーデに奥行きが出る。
タートルネックの着こなしで、やってはいけないこと
サイズが大きすぎるタートルは、全部を台無しにする
タートルネックはフィット感が命。
大きすぎるサイズのタートルネックをだぼっと着てると、首元のデザインが機能しなくなる。タートル部分がぐにゃっとして形が崩れて、せっかくの首元の演出が消える。それどころか、全体がだらしない印象になる。
逆に小さすぎるとタートル部分が首に食い込んで苦しそうに見える。適切なサイズは、首元がきれいに立ちあがって、肩の縫い目が肩先にきちんと乗って、脇の下に余裕がない状態。試着してこのバランスが取れてるか確認してから買ってほしい。
首元が汚れてるタートルは、見てて辛い
タートルネックは首元が肌に直接触れる面積が大きいから、汚れや毛玉が目立ちやすい。
首元に毛玉がぽつぽつしてたり、皮脂汚れで変色してたりすると、タートルネックの首元という最も目立つ部分が残念な状態になる。これは本当に近くにいると気になる。顔の真下にあるアイテムだから、汚れが視界に入りやすい。
タートルネックは着るたびに洗濯するか、最低でも2〜3回に一度は洗うこと。ニット素材なら洗濯ネットに入れて手洗いモードで。毛玉は毛玉取り器でこまめに取る。この手入れができてるタートルネックと、そうじゃないものでは、見た目の清潔感が全然違う。
タートルネックにタートルネックを重ねるのは、ほぼ成立しない
レイヤードが好きな男性がやりがちなのが、タートルネックの上にタートルネックを重ねる着こなし。
首元がごちゃごちゃして、視覚的なノイズになりやすい。タートルネックは首元が完成されたアイテムだから、上に重ねるなら首元が開いたアイテムを選ぶ。Vネックのニットベスト、開襟シャツ、ノーカラージャケット。これらがタートルネックとのレイヤードに向いてる。
タートルネックと顔型の関係、正直に言う
首が短めの男性は、首元の高さで調整する
首が短めだとタートルネックが苦手、という思い込みがあるけど、首元の高さを選べば解決する。
高くて折り返すタイプのタートルより、首元が低めのモックネックやハーフジップのものを選ぶと、首元が圧迫されずに済む。首が短めの人でも、モックネックなら自然にはまることが多い。
あとは色でカバーする方法もある。ダークトーンのタートルネックは首元が目立ちにくくて、首の長さへの視線が分散される。ライトトーンより、ネイビーやチャコールグレーあたりを選ぶと着こなしやすい。
顔が大きめでも、タートルネックは諦めなくていい
顔が大きめだからタートルネックは無理、と決めてる男性に一度試してほしいことがある。
首元が細くてすっきりした薄手のタートルを選んで、ジャケットかコートを上に羽織ること。アウターによって肩幅と胸元にボリュームが出ると、顔の大きさへの視線が分散される。タートルネックだけで着るより、アウターを重ねた方が顔の存在感が和らいで、全体のバランスがよく見えることがある。
タートルネックが持つ力
タートルネックをさらっと着こなしてる男性の破壊力
なぜタートルネックがこんなにかっこよく見えるのか、ずっと考えてた。
たぶん、首元が服で覆われてる状態が、なんか守られてる感じとか、集中してる感じとか、外の雑音をシャットアウトしてる感じを演出するからだと思う。開いた首元より、閉じた首元の方が、その人の内側の強さみたいなものが漏れ出てくる気がする。
タートルネックをさらっと着てる男性って、それだけで少し近寄りがたいような、でも気になるような、不思議な引力がある。顔がフレームされて、目線が顔に集中するからかもしれない。どちらにしても、タートルネックを着こなせる男性の存在感は、他のアイテムでは代替できない。
秋冬の街で、タートルネックの男性だけが違う温度を持ってる
寒い季節に街を歩いてると、タートルネックをさらっと着てる男性が目に入る瞬間がある。
コートの前を開けて、中にタートルネックがのぞいてる状態。それだけなのに、なんかその人だけ違う空気を纏ってる。寒さの中にいるのに、余裕がある。あたたかみがある。
タートルネックって、着てる人の温度みたいなものを演出するアイテムだと思ってる。内側から滲み出てくる落ち着きとか、自分のスタイルを持ってる感じとか、そういうものが首元ひとつで伝わってくる。それがたまらなく好きだ。
