白シャツを着れば清潔に見える、は半分だけ本当
白いシャツは清潔感が出る。
どこでも言われていますよね。私も基本的には賛成です。
ただ、条件つき。新品で、手入れが行き届いているあいだだけ。
そこを外した白シャツは、色物より確実に安く見えます。
白は汚れを隠さない。むしろ拡大する
紺や黒のシャツなら、少しくらいの汚れは沈んで見えません。
白は逆。ほんのわずかな黄ばみも、白地の上ではっきり浮きます。
皮脂は透明なのに、時間が経つと黄色に変わる。洗ったつもりでも、繊維の奥に残っている。
それが数か月かけて、じわっと色になって出てくる。
気づいたときには、もう手遅れというパターンが多いんです…。
女が最初に見るのは、襟の付け根
向かい合って座ったとき、私の視線がまず止まる場所。
シャツの襟が首に触れているところです。
顔のすぐ下だから、見ないようにしても視界に入ってしまう。
そこが真っ白だと、その人の生活まで整って見える。逆にくすんでいると、話の内容が頭に入ってこなくなります。
襟だけ。本当にそこだけで、印象の半分が決まっていると思う。
焼き鳥屋のカウンターで、隣に座った人
去年の秋、友人と行った焼き鳥屋でのこと。
カウンターの隣に、感じのいい男性が座っていました。年齢は四十前後でしょうか。
きれいな白いシャツに、紺のジャケット。姿勢もよくて、店員さんへの受け答えも丁寧で。
襟の内側だけ、色が違っていた
その人がジャケットを脱いで、背もたれにかけたときです。
首を回した拍子に、襟が少し立ち上がりました。
内側が、うっすら黄色い。
外から見える面は真っ白なのに、折り返しの内側だけ色が違っていた。
私は串を持ったまま、少しだけ手が止まりました。おいしい焼き鳥だったのに、そこから味の記憶があやふやで。
見なければよかった、という気持ちと、これは誰にでも起きるな、という気持ちが同時に来て。
本人は一度も気づいていなかった
考えてみれば当然なんです。襟の内側って、自分では見えません。
鏡を見るのは正面から。畳むときも、外側しか目に入らない。
首の後ろに触れている部分が、いちばん皮脂を吸っている。なのに、いちばん確認されない。
この矛盾が、白シャツの最大の弱点だと思います。
着る前に一度、襟を立てて内側を見る。それだけで防げることが、案外多い。
白の質は、透けと襟で決まる
値段の差がどこに出るのか。私の見ている限り、二か所です。
一枚で着るなら厚みのある生地を
安価な白シャツは、生地が薄い。光にかざすと向こう側が見えるレベルのものもあります。
外を歩いているとき、後ろから日が当たると、体の線がそのまま出ます。
本人は気づかない。でも、後ろを歩いている人からは丸見え。
選ぶときは、店の照明に向けて持ち上げてみてください。手が透けるようなら、一枚では着ないほうがいい。
オックスフォード地のような、少し織りの粗いものは透けにくくて扱いやすいです。
襟の芯がへたると、顔まで下がる
襟が自立しないシャツって、なんとなく元気がなく見えます。
ジャケットの中で、襟の先がぺたんと寝てしまう。
洗濯を繰り返すと芯が弱るので、ある程度は仕方ないんですけど、最初から芯の薄いものを選ぶと一年もちません。
店で手に取ったとき、襟だけを指でつまんで立ててみてください。すっと立つものは長持ちします。
襟の形は、ボタンで留めるタイプが万能。ジャケットの下でも、一枚でも、形が崩れにくい。
ボタンの色と糸の色に目が行く
細かい話ですけど、ボタンが真っ白なプラスチックだと安っぽく映ります。
貝を使ったボタンは、光の角度で少し虹色に光る。あれがあるだけで、生地まで上等に見える。
それと、ボタンを留めている糸。同じ白でも、糸が太いと素朴な印象になります。
値段を上げなくても、ここが揃っているものは探せばあります。
インナーをどうするか問題に答えを出す
白シャツの下に何を着るか。ここで失敗している人、本当に多い。
白いインナーは白の下で目立つ
直感に反しますよね。白の下には白、と思いますよね。
違うんです。白いシャツの下に白いインナーを着ると、そこだけ白が二重になって濃く見えます。
肌の色に近いベージュを選ぶと、境目が消える。何も着ていないように見えるのに、汗はちゃんと吸ってくれる。
ベージュのインナーを買うのは少し勇気が要ると思います。でも、一度着たら戻れません。
Vネックは形が浮く
胸元から見えないように、とVネックを選ぶ人がいます。
ところが、薄いシャツだとVの形そのものが透けて浮き上がる。
丸首でも、襟ぐりが深めのものなら第一ボタンを開けても見えません。
袖の長さも同じで、半袖のインナーだと二の腕のところに線が出ます。気になるならノースリーブに近いものを。
白シャツを二枚で回すようになった人の話
知人に、白シャツをずっと着ている男性がいます。
仕事着はほぼ白。それなのに、何年経ってもくすんで見えない。
どうしているのか聞いたら、拍子抜けするような答えが返ってきました。
彼が始めたのは、襟だけを先に洗う三十秒
洗濯機に入れる前に、襟と袖口だけ石鹸をつけて手でこする。
所要時間、三十秒。
洗濯機は全体を均一に洗うので、汚れが集中している場所には効きにくい。だから先に手をかける。
それだけで、一年経っても襟が白いままだそうです。
特別な洗剤も使っていない。風呂場で固形石鹸を軽く当てるだけ。
聞いたその日に私も試しました。三回目くらいから、明らかに違いが出ましたよ。
一枚を大事にするより、二枚を交代させる
彼がもうひとつ言っていたのが、同じシャツを続けて着ないこと。
汗を吸った繊維は、一日置くと元に戻ります。連続で着ると、戻る前にまた汗を吸う。
それを繰り返すと、繊維の奥に皮脂が蓄積していく。
高い一枚を毎日着るより、手ごろな二枚を交互に。結果として両方が長生きします。
これ、靴でも言われることですよね。シャツも同じ理屈でした。
カジュアルで着るときの分かれ道
仕事以外で白シャツを着ると、急に難しくなります。
裾を出すなら、丈が全部を決める
シャツをパンツに入れない着方。あれは丈が命です。
お尻が半分隠れる長さだと、脚が短く見えます。
狙いは、お尻の一番上のあたりで終わる丈。ベルトのバックルが隠れるくらい。
入れる前提で作られたシャツは、裾が丸くカーブしていて長い。出して着るなら、裾がまっすぐに切ってあるものを選んでください。
それだけで別物になります。
袖まくりは、雑にやるほど整う
きっちり三回折るより、大きく二回。
肘の少し下で止めるのがちょうどいい。肘より上まで上げると、作業している最中のように見えます。
折り目をきれいに揃えすぎないほうが、力が抜けて見えるんですよね。
このさじ加減、言葉で説明するのが難しいんですけど、鏡の前で何度かやると感覚がつかめます。
ボタンを開ける数は二つまで
第一ボタンを開けるのは自然。二つ目まではぎりぎり。
三つ目を開けると、胸が見えて意図が出すぎます。
私の感覚では、二つ目を開けている人が一番自然に見える。鎖骨が少しのぞくくらい。
インナーの襟が見えると台無しなので、襟ぐりの深いものを下に着るのを忘れずに。
黄ばみは時間じゃなく、しまい方から来る
何年も着ているから黄ばむ、と思われがちですよね。
実は、しまい方のほうが影響します。
クリーニングから戻ってきたビニールをかけたまま、クローゼットに入れっぱなし。あれが一番よくない。
中の湿気が逃げず、残った溶剤と反応して色が変わります。
帰ってきたら、ビニールを外して風を通す。それだけ。
それと、しまう前に完全に乾かすこと。生乾きのまま畳むと、数か月後に点々と色が出ます。
白シャツは、買った瞬間が最高点。そこからどれだけ落とさずに保てるか、という勝負です。
