20代のころ、彼氏の誕生日にロゴの大きなブランド財布を贈ったことがあります。
冬のボーナスをほぼまるごと使って、デパートの一階で選んだ長財布。
包装紙の角まで、今でもはっきり思い出せる。
受け取った彼が、箱を開けたまましばらく黙りこんだことも。
そのせいか、20代の男性がロゴ入りの財布を取り出すと、つい考えてしまうんです。
(それ、元カノからのプレゼント…?)
ちょっと嫌な女ですよね(笑)
でも、これは私だけの癖じゃない。
女友達に話すと、わかる、と笑う子が少なくないの。
20代のメンズ財布は、ブランド名で選ぶほど損をする。
女性が財布から読み取っているのは、年収でも見栄でもなく、お金の扱い方だから。
ロゴより革、値段より会計の30秒。
そこを押さえた財布なら、20代の男性をひと回り大人に見せてくれます。
20代の財布は、ブランド名で選ぶほど損をする
ロゴの大きな財布に、女性は元カノの影を見る
あの長財布を贈った彼とは、二年ほどで別れました。
それから一年後、共通の友人の飲み会で、彼と同じテーブルになったんです。
お会計のとき、彼のポケットから出てきたのは、見覚えのあるロゴ。
角がすり切れて、ロゴの金具だけが妙に光っている。
(まだ、あの財布使ってるんだ…)
喉の奥がきゅっと縮んで、贈った私のほうが目を泳がせていました(泣)
ロゴの大きな財布は、遠くからでもブランドがわかります。
わかるからこそ、女性の頭には値段と、誰が買ったのかが一瞬で浮かぶの。
もちろん、自分で働いたお金で買った人もたくさんいるはず。
それでも、20代でロゴの主張が強い財布を持つと、その一瞬の想像からは逃れられません。
財布の値段だけが、服と釣り合っていないと浮く
もうひとつ、20代ならではの落とし穴があります。
毛玉の目立つパーカーに、使い古したスニーカー。
なのに、取り出した財布だけが、一目でわかる高級ブランド。
その組み合わせ、女性の目には背伸びにしか映らないの。
財布は、持ち主の服や時計と並べて見られる小物です。
一つだけ値段が飛び抜けていると、そこだけ借りてきたように浮いてしまう。
20代の財布は、ふだんの服の一つ上くらいの格がちょうどいい。
背伸びは半歩までにしておくほうが、ずっと自然に大人っぽく見えるんだよね。
逆に、服はきれいめなのに、財布だけ角がぼろぼろなのももったいない。
財布も服の一部だと思って、格をそろえてあげてね。
会計の30秒で、女性が財布から読み取っていること
取り出すまでの10秒、ぱんぱんの財布と行方不明のカード
26歳のころ、大学の先輩が開いた飲み会で知り合った人と、ふたりで食事に行った夜。
会計の伝票を前に、彼がバッグから長財布を引っぱり出しました。
ロゴがどーんと入った、ぱんぱんにふくらんだ一冊。
ファスナーを引くと、途中でジジッと止まる。
力ずくで開けた拍子に、小銭がちゃりんと床に転がり落ちた。
テーブルの下にもぐる彼の背中と、カウンターで待つ店員さん。
やっと戻ってきた彼は、レシートの束をかき分けて、お店の会員カードを探しはじめる。
そして最後は、スマホをかざして支払いを済ませたんです。
(いや、結局スマホで払うんかい…)
心の中で突っこみつつ、首の後ろがじんわり熱くなっていく。
財布の中身は、取り出すまでの十秒で、だいたい外にばれてしまう。
ふくらみの正体は、たいていレシートと会員カードと小銭なのよね。
女性はその厚みを見て、この人は片づけが苦手なのかなと想像してしまう。
開いたときに見える、お札の向きとレシートの量
財布が開いたとき、女性の目はなかをちらりとのぞいています。
見ているのは金額じゃなく、並び方。
お札の向きがそろっている男性は、それだけで約束を守ってくれそうな気がするの。
意外と、こういう細かいところで信用は積み上がっていくんです。
逆に、くしゃくしゃのレシートが何枚も顔を出していたら要注意。
レシートはその日のうちに抜いて、会員カードはスマホのアプリにまとめておく。
小銭が多い日は、コインケースを分けるだけで財布がぐっと薄くなります。
財布のなかが整っている人は、きっと部屋の引き出しも整っているはず。
女性の想像って、そこまで一気に飛んでいくものなのよ。
しまうまでの所作に、お金の扱い方がにじむ
支払いが終わったあとの数秒も、ちゃんと見られています。
おつりを受け取ったら、慌てずに小銭入れへ。
財布をテーブルに出しっぱなしにせず、すぐにしまう。
割り勘にするなら、その場で金額をさらっと伝えて、もたつかせないこと。
カードやスマホで払うのも、もちろん大歓迎です。
割り勘の送金も、その場でさっと済ませてくれると、帰り道の会話まで軽くなる。
大事なのは払い方より、その一連の動きに落ち着きがあるかどうか。
正直言って、財布をていねいに扱う男性は、人のこともていねいに扱いそうに見えるの。
会計の30秒は、ブランド名よりずっと多くのことを語ってしまうんです。
ロゴより革で選ぶ、20代メンズの財布ブランド
土屋鞄製造所とGANZO、日本の革ブランドで一つ目を育てる
最初の大人の財布なら、日本の革ブランドから選ぶのが安心。
土屋鞄製造所は、ランドセルづくりから始まった革のブランドです。
飾りの少ない形と、使うほど色が深まっていく革が持ち味。
ロゴは小さな刻印くらいなので、20代の手にもすっとなじむの。
GANZOは、上質な革と、細部まで手を抜かない仕立てで知られる日本の革小物ブランド。
少し背伸びして、長く付き合える一つを手に入れたい人にぴったりです。
どちらも、使いこむほど表情が育っていく財布がそろっています。
硬かった革が少しずつ手の形に添っていく感覚は、一度知るとやみつきになるの。
派手さはないけれど、三年後に差がつくタイプね。
ホワイトハウスコックス、英国のブライドルレザーという選択
イギリスの老舗なら、ホワイトハウスコックスの名前を覚えておいて。
19世紀から続く革製品のブランドで、ブライドルレザーの財布がよく知られています。
ブライドルレザーは、ロウを染みこませた丈夫な革のこと。
新品のうちは、白い粉のようなロウが表面に残っているの。
それが使ううちに革になじんで、深くて品のあるつやに変わっていく。
シンプルな見た目なのに、育った姿には貫禄が出るから不思議。
20代のうちに手に入れて、30代の自分に引き継ぐ一つにしてもいいかも。
ポール・スミス、開いた瞬間に色がのぞく遊び心
イギリスのデザイナーズブランド、ポール・スミスの財布も20代にはなじみやすい。
外側は落ち着いた革なのに、開くと内側に色鮮やかなストライプ。
そんなデザインで知られています。
会計で開いた瞬間、思わず、その色きれいだね、と言いたくなる。
ロゴで語らず、ひそかな色で語るところが、大人の遊び心なんです。
ネイビーや黒の革を選べば、仕事の日のスーツにもすんなり合います。
外のロゴは控えめだから、元カノの影を想像される心配も少ないの(笑)
アブラサスとエムピウ、薄さと小ささで選ぶなら
キャッシュレスで払うことが増えた今なら、財布そのものを小さくする手もあります。
アブラサスは、薄さを突きつめた財布で知られる日本のブランド。
ジャケットの内ポケットに入れても、胸元がふくらまないの。
エムピウは、小さいのに収納力のある二つ折りの財布で名前が知られています。
小さな財布は、それだけで持ち物を厳選している人に見えるから得をするのよね。
ただ、小さい財布にレシートを詰めこむと、すぐに形が崩れるので気をつけて。
価格は、ブランドや革の種類でかなり幅があります。
最新の値段は、公式サイトや店頭で確かめてみて。
20代の財布は、形と色と革をこう選ぶ
長財布より、二つ折りかミニ財布
20代の男性に持ってほしいのは、長財布より二つ折りかミニ財布。
長財布は、どうしてもバッグありきで、手ぶらのデートには向きません。
パンツの後ろポケットに長財布を差していると、座るたびに形がゆがんでしまう。
二つ折りなら、ジャケットの内ポケットにも、パンツの前ポケットにも収まります。
お札を折るのが気になる人もいるけどさ、20代のうちは身軽さのほうを取っていい。
ミニ財布なら、パンツの前ポケットに入れても、シルエットが崩れにくい。
手ぶらで出かけられる身軽さは、デートの歩き方まで軽くしてくれるの。
色は茶色かネイビー、黒ならつやのある革で
茶色かネイビーなら、取り出したときの印象がいちばん柔らかい。
茶色は使うほど深みが出て、ネイビーは落ち着いた中にほんのり若さが残る。
黒を選ぶなら、つやのある革にして、表情のある一つを。
マットな黒の合皮は、どうしても事務用品っぽく見えがちなの。
赤や黄色の財布は、手元だけが騒がしくなるので上級者向け。
迷ったら、ふだん履いている革靴の色に寄せておけば、全身の中で浮きません。
合皮より、傷も味になる本革を
20代の財布選びで、あとから差が開くのは素材です。
合皮は軽くて手ごろだけれど、二、三年たつと角から表面がはがれてくる。
ぽろぽろとはがれた合皮のかけらは、会計のたびに女性の視界に入ってしまうの。
本革なら、ついた傷さえ、時間とともに味わいに変わっていきます。
革は、手入れをすれば十年単位で付き合える素材。
月に一度、乾いた布でから拭きして、たまに専用のクリームをなじませるだけで十分。
マジで、それだけで色つやが見違えるから。
彼女から贈られる財布と、自分で選ぶ財布
女性はなぜか、恋人への贈り物に財布を選びがちです。
毎日持ち歩いて、何度も手に取るものだから。
その時間に、自分の存在をひっそり重ねておきたいのかもしれません。
だから、恋人から財布をもらったら、ロゴの大きさなんて気にせず大事に使ってあげて。
問題になるのは、別れたあとも、その財布を使い続ける場合。
新しく出会う女性は、使いこまれたロゴの財布に、前の恋の気配を嗅ぎとってしまうんです。
自分で買う一つは、誰の気配もしない、自分だけの革を選んでおいてね。
いとこの財布が、二年かけて連れてきたもの
何年使ってるの、と聞かれた日
4つ下のいとこから、財布選びを頼まれたのは二年前の冬。
就職して最初のボーナスで、大人っぽい一つがほしいんだって。
彼が真っ先に手に取ったのは、ロゴがきらりと光るハイブランドの長財布でした。
思わず、その腕をそっと引き止めていました。
二人で選んだのは、日本の革ブランドの、茶色い二つ折り。
新品のときは、ミルクティーみたいに明るい色だったんです。
今年の夏の終わり、突然、いとこから電話がかかってきました。
ビアガーデンでのデートで、会計のときに相手の女性からこう聞かれたらしい。
「その財布、いい色だね。何年使ってるの?」
二年かけて、財布はミルクティーからキャラメルのような深い茶色に育っていました。
そこから、財布を選んだ日の話、手入れの話で一時間。
帰り際、物持ちのいい人っていいね、と言われたんだとか。
電話の向こうの声が、いつもより半音高い。
まさか、二年前の茶色い財布が、こんな縁を運んでくるなんてね!
財布は、20代のお金の扱い方を語ってしまう
20代の財布選びで、ブランドの名前はそれほど大きな意味を持ちません。
女性が見ているのは、ロゴの大きさより、会計の30秒の落ち着き。
そして、その財布とどんな時間を過ごしてきたか、という跡なんです。
財布は、ロゴで背伸びするための道具じゃない。
20代のお金との付き合い方を、そのまま映してしまう小さな鏡なの。
高い財布を見せびらかす人より、ほどほどの財布をきれいに育てる人。
女性が選びたくなるのは、たぶんそっちでしょ。
あの時、私がロゴの財布じゃなく、茶色い二つ折りを贈っていたら。
元彼は今ごろ、誰の想像にも邪魔されずに、その財布を使えていたのかもしれません。
財布って、持ち主より先に、いろんなことをしゃべってしまうのね。
